髭が濃い人、薄い人様々ですがこの違いはどこから来ているのでしょうか。
「男性ホルモン」という言葉を皆さん一度は耳にしたことがあると思います。
「ホルモン」とは「生体の内外で起こった情報に対応し、体内の特定器官で合成・分泌され、血液などの体液を通して体内を循環し、他の決まった細胞でその効果を発揮する生理活性物質」のことです。
簡単に言うと「体が周囲の環境や体内の状態に合わせて分泌する信号」ということですね。
男性ホルモンはアンドロゲンとも言い、「男性」とついてはいますが女性でも分泌されます。
逆に男性も女性ホルモンを微量ながらに分泌しています。
男性では主に精巣のライディッヒ細胞から分泌され、女性では卵巣内の卵胞の顆粒層細胞から分泌されます。
女性の場合このアンドロゲンが卵胞上皮細胞でエストロゲン(女性ホルモン)に変換されます。
男性ホルモン・アンドロゲンは男性の副生殖器(外陰部や前立腺)の発育及び機能を促進し第二次性徴(男性器の発達)を発現させる作用を持つ物質の総称なので実は1種類ではなく複数のホルモンの総称なのです。
男性ホルモンについてはいまだに不明な点もありますが、はっきりとその役割がわかっているものとして有名なものがテストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、アンドロステロン、アンドロステンジオンなどです。
テストステロンは筋肉の増大や骨格の発達、体毛を濃くする働きを司ります。DHTはテストステロンが還元酵素によって変換されたもので大人ではニキビやハゲ、濃い髭の原因となります。
DHEAは現時点ではあまり分かっておらず「弱い男性ホルモン」として紹介する研究所などもあります。
アンドロステロンには男性にとって覚醒作用などがありますが髭の濃さとは関係がありません。
アンドロステンジオンはテストステロンのもとになる物質ですがそれ自体には髭の濃さと関係はありません。
以上からわかる通り、複数ある男性ホルモンのうち髭の濃さと関係があるのはテストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)の2つです。
血中のテストステロンが毛乳頭や皮脂腺付近の還元酵素(5αリダクターゼ)と結びつき、DHTとなります。
DHTはレセプターと呼ばれるホルモンの受容体に取り込まれ、ヒトそれぞれの遺伝によってIGF-1(成長因子)かTGF-β(脱毛因子)のどちらかが発現することとなります。
男性の髭の場合、IGF-1が発現することで毛母細胞の分裂が促進されて毛が濃くなっていきます。
詳しく知りたい方はこちら⇒ 髭 濃い
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